気まぐれ Art note

洲之内徹が連載した「気まぐれ美術館」に憧れてます。

夜の光を描く画家ーVincent van Gogh

▪️1枚の絵が内包する明暗と昼と夜

私の家は4人姉妹で、私は末っ子。もともと絵が好きなのは姉(3女)のほうでした。勉強机の前で姉がゴッホの画集を広げていたときに後ろから覗き込んで、ハッとしたのが「夜のカフェテラス」という絵でした。
「その絵、いいね」
「うん、ゴッホだよ」

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「夜のカフェテラス」1888.9月 油彩 81✖65.5 クレラー・ミュラー美術館
 
ゴッホというと「向日葵」が有名で、確かに向日葵だけで何点もの絵を描いているんですが、このときから同時に「夜の光を描く画家」というイメージがつきました。
その後、ゴッホの生地はオランダのズンデルトという町で、そこは北部のため空は雲に覆われる日が多く、明るい光に憧れたゴッホは故郷を離れフランスのアルルに引っ越したというエピソードを本で読みました。そのエピソードを知ったとき、人生は悩ましく暗かったけれど、だからこそ光が描きたかったのだろうかと想像しました。
 

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「ローヌ河の星月夜」1888年 油彩 73✖92
星月夜の下を寄り添って歩く恋人たちが素敵ですね。
 
終焉の地になるパリ西北のオーヴェル・シュル・オワーズは美しく、どこかゴッホの故郷ズンデルトにも似た風景があったとか。故郷には戻れない、だからこそここを終焉の地に選んだのでしょうか。下はオーヴェルに建つ教会です。

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図版右「オーヴェールの教会」1890年 油彩 94✖️74 オルセー美術館
書籍は向田直幹、匠秀夫、他『とんぼの本 ゴッホ巡礼』(新潮社)
 
 
この絵、不思議な絵でして…
上半分は夜、

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下半分は昼

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1枚の絵の中に存在する「昼と夜」。
絵が内包するネガティブさと希望のような光、それが共存するところに私は惹かれます。