気まぐれ Art note

洲之内徹が連載した「気まぐれ美術館」に憧れてます。

隠れ家的アートサロン

▪️すばらしい人との出会い

私の故郷・佐渡島の大先輩が上京され、つきましては東京にいる佐渡出身の先輩の同級生たちやそのつながりの友人たちが集まるというので、先日都内某所に出かけてきました。突然お邪魔したにもかかわらず、「まずは飲め!」と言われて出されたのが、佐渡の特上のお酒。そのお酒を古伊万里の蕎麦猪口に入れて。やっぱりいい器使ってますね〜。

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お隣にいた先輩(女性)とお話していたら、今年還暦を迎えるので新しいことを始めようと思っていると言います。能の面を彫ろうと思っていて、佐渡高校の先生をしておられた郷土研究家でもあるナントカ先生に会いにいきたいけれど、今は80幾つかになっておられ、佐渡のどこにいらっしゃるかわからない……と。

「調べておきましょう」と、私なぜか課題を請け負いました。

ちなみに私は両津高校です。

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あちこちのちょっとした置物や家具、しつらえが見事なご自宅。

 

そのうちに主役の大先輩が佐渡おけさを踊り出し、続いて相川音頭。相川音頭を踊るなら「刀(脇差)がいる」と言い出し、「なんで相川音頭は腰に刀を差すのか、女が踊るのに男の踊りなんだろうか」と。「そんなことを考えると俺は夜も眠れん…」と言われ、別の大先輩から「ホレッ学芸員、答えなさい!」と言われました(”学芸員”とは私のことです。このアートサロンで私は編集Kではなく”学芸員”)。

「……」

知らんがな、と答えられる雰囲気ではありませんので、「なんででしょうね?笑笑」とごまかしていると「コラッ、学芸員なら答えられなくてどうするんだ! もうイタリア行け! 佐渡に帰ってくるな!」と怒られたり……。

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都内とは思えない自然あふれる素敵な庭。

 

私がイタリアルネサンスの本を編集していることを前提に、「ボッティチェリの展覧会がいま渋谷でやってるなぁ」と、さすが先輩!ご存知なので「あ、あそこで私の本一番売れてるんですよ!」と鼻高に自慢すれば、「ボッティチェリルネサンスの初めの頃なの?」と質問がきて「ルネサンスの始まりは実は絵画ではなく文学(詩)からです」などとチョロっと答えると「それ面白いね、そこもう少し!」深く話せと突っ込みがきたり……。

手強いです。

つまり文化的で教養人ばかり集まっているわけです。意識を共有する人たちのつながりの輪ができている。佐渡の人は田舎者だから何も知らないわけではなんです。この先輩方、佐渡で生まれ育って佐渡から来て佐渡に帰るんですよ? 佐渡に残っとるヤツはだめや〜(という人もいるかもれしれないけど)低レベルではありません。

素晴らしい人と出会おうと思えば出会える。

それには自分から探し求めないと出会えません。

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帰り際に、

「それで学芸員はなにがやりたいんだ?」「企画3本」と言われたので、

いま、6月の帰省までにまとめているところです。

今度も、いろんな人に会う→話を聞く→資料をつくる、見て聞いて調べての繰り返し。あちこちの薪能三昧も宿題のダメ出しも含めて、今から佐渡行きが楽しみです。