気まぐれ Art note

洲之内徹が連載した「気まぐれ美術館」に憧れてます。

五箇山の和紙と佐渡の竹でランプをつくる。

7月13日、懐かしい工芸の先生から突然のメール。
「元気でがんばっていることと思います。そして突然のメールで、驚いているかと・・・。確か佐渡島がふるさとで、灯籠祭りが8月にある(岩首の竹灯りの祭りのこと)と聞かされ、ぜひ行きたいと願ったこと思い出します。今夏も予定立てずで・・・、ですが、まだ行ったことない佐渡ぜひ行きたいと妻と話しています」。
こんな書き出しで始まり、
「お願いがあります」と。なんのことかと思えば、
8月から富山の五箇山で開催する「和紙の灯り展」への学生の出品応募が少なく、過去の受講生に出展を協力できないかということでした。
メールを読みながら、印象深い工芸の授業を思い出します。

f:id:karryart:20150726205320j:plain課題では「五箇山の和紙」を使用することが条件です。和紙の風合いを活かすデザインをすること。先生は授業中に「習字が義務教育からなくなったことを知っていますか?」と言いました。学校教育で習う習字の紙は、紙の産地から買っていた。それは産地にとって安定収入だった。それが途切れた。和紙の伝統はどうなるか? 和紙を使うことをもう一度考えよう、と。

 
工芸の授業はランプづくりだと聞いていて、それは楽しそうだと思い、選択して受講したのです。(私は工芸工業デザイン科でもプロダクト科でもないです。美術史と博物館学を中心に勉強する学芸員コースです)。てっきりランプの作り方でも教えてくれるのだと気楽に考えていましたが、授業が始まってすぐに先生はこう言いました。
「エデュケーション=教育という本来の意味は、自分で考えて工夫し、失敗し、学んでいくことです。それが勉強の姿勢。日本の教育はすべて1から教えようとする。それがいけない。だから、ランプは一からすべて自分で考えて工夫し、つくってみなさい。作り方を教えるのが美術大学ではありません。ただし、最初にアイディアスケッチを描いて、誰がいつどこで使うためのランプなのをか記述し、その内容を発表してください」。
 
(えええええー)と思いましたよ。どうすりゃいいんだ。

f:id:karryart:20150726210032j:plain制作過程途中…四苦八苦です。

 
皆さんは「自分で考えてつくってみろ」と言われたら、どうしますか?
焦りましたよ、私は。そこですぐ「提灯の作り方」をネット検索し、検索結果により日本の伝統的照明器具「提灯」の作り方がすんーばらしく難しいことを悟ったのです。見た目はあんなにシンプルなのに、それでいて機能的。だからこそ作るのは難しい。これぞ職人技。
 提灯はあきらめました。さておき……。
シンプルで美しくそして機能的であること。これが実は凝ったデザインより何倍も難しいのです。それから
私は学芸員コースなので、ワークショップでつくれること。自分が学んだら、人に伝えられるようになりたい。みんながものづくりを楽しめる場をつくり、灯りの美しさを共有できたらいい、そんなデザインにしよう、と。
 

f:id:karryart:20150726210352j:plain

f:id:karryart:20150726210429j:plain

だからこのランプを見て、「つくってみたい」「つくれそう」と思っていただけたら、私の課題は成功したことになります。
さて、3人の姉たちが早速「ウチに金魚バージョンつくって」「チビの夏休みの自由研究に教えて」と言ってきました。夏は、子供たちにランプづくりのワークショップを開きたいと思います。
佐渡の竹と五箇山の和紙を使って。