読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

気まぐれ Art note

本の編集したり舞台裏の黒子やったりしています。

文化財修復の現場

◼︎次世代に伝えるために

前回前々回に引き続きフィレンツェの旅を書こうと思っていましたが、今日、文化財保存修復セミナーに参加を申し込んだのでこのことを記しておかなければならないと思いました。

東京に文化財支援機構という組織があり、

文化財(美術品、工芸品等)の保護、保存修復活動は文化財保存支援機構へ。

資料がほしいとお願いしたらパンフレットに書いてある主旨や理念がとてもよかったんです。

 とくに、二段目の「現在わが国では、……一方、地域のお寺に安置された仏像や先祖代々伝わる文書類、遺跡から発掘される夥しい埋蔵文化財、古民家に眠る民具など、名もない文化財たちは、手当てをされることもなく、いつの間にか喪われていきます」。の文言に心打たれました。

f:id:karryart:20150814204757j:plain

 

故郷の佐渡島に両津郷土博物館という市営の博物館があり、休館中となっていますが実質は廃館です。収集された民具がそのまま、温度調節もされず閉館当時のまま置かれており、館を開けてもらって中の民具と出会ったときは、まるで朽ちるのを待っているかのような切なさを抑えきれませんでした。湿度や温度管理をして保護していく行為がなければ収蔵庫とは言えませんし、市営の博物館には所蔵品目録の冊子がないように思います。もし内部資料としてあったとしても、市民に公開され配布されていなければ、自分たちが住んでいるところの文化財をどうやって把握するでしょう? 両津がコレクションした「北佐渡の漁労用具」は国の重要有形民俗文化財指定です。それから羽黒神社(羽吉)の流鏑馬(県無形民俗文化財)も展示されています。佐渡の人がこのことをどれほど知っているでしょうか?

これらの民具は「ガラクタ」に見られがちで、コレクションした当時も「集めてどうする」と言われたようです。しかし「人々の生きてきた知恵や知識などはとりもなおさず民具に表現されているといえよう」と平成13年に両津郷土博物館が発行した『分類一覧表』にコレクションの主旨が明記してあります。

そして、設立当初は、佐渡の博物館すべてが「観光」を旨にしています。それがことごとく無残に閉館の結果に終わっているではないですか。いまが「地域密着型」に切り替えるときだと私は考えます。そうでなければ、2度も3度も同じ轍を踏むでしょう。

 

以下、文化財支援機構のパンフレットに書いてある設立主旨です。

****************************

私たち文化財保存支援機構は、「文化財」の保存活動を通して、人間にとって大切なもの、喪ってはならない大事なものを、未来に伝えていきたいと考えています。「文化財」とは、人間が地上に生を受けてから、連綿と紡ぎ出し、営々と積み上げてきた歴史と文化の証しであり、生活の英知と美意識の結晶に他なりません。国が変わり、言葉が変わり、民族が異なっても、その価値が変わることはないでしょう。私たちは、これら人類共通の遺産を護り、育み、次世代に伝えていくために組織されたNPO法人です。
 
現在わが国では、国宝や重要文化財などに指定された文化財は、国(文化庁)、或いは地方自治体の教育委員会などが手厚く保護しています。一方、地域のお寺に安置された仏像や先祖代々伝わる文書類、遺跡から発掘される夥しい埋蔵文化財、古民家に眠る民具など、名もない文化財たちは、手当てをされることもなく、いつの間にか喪われていきます。
 
そんな中で、心ある専門家たちは、自分の技術、知識をもって、ひとつでも多くの文化財ー人類の遺産ーを護りたいと願っています。こうした志を持つ専門家を数多く育てて世に送り出し、ネットワークで繋げ、社会に貢献するシステムの構築が、焦眉の課題となっています。また、そんな人々に共感する一般社会の繋がりこそが、今最も必要とされているのです。
 
私たちは、長年にわたって培ってきた文化財の修復技術、保存に関する専門知識を十二分に活かし、行政と民間の狭間に立って、文化財の保護継承に努め、社会に少しでも貢献したいと考えています。

f:id:karryart:20150814204913j:plain

救うものは「文化財」でも、その背後にある「文化財を育んできた心」こそを、護り伝えていきたいと私たちは思うのです。それは、社会の文化に対する志ー「文化力」を高めていく、大きな試みでもあります。
 
私たちは、社会と文化財保存専門家を繋ぐ架け橋となり、過去から手渡されたこの文化の遺産、文化の記憶を、今度は未来に手渡すべく、日々活動をしています。
*******************
 
 
私の参加は9月から5日間、
来年は全日程を履修し、保存修復専門家としての技術を得たいと思っています。