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気まぐれ Art note

本の編集したり舞台裏の黒子やったりしています。

船大工が作った和船模型の展示を観に行く

神奈川大学の中に常民文化研究所があり、横浜キャンパス3号館に和船の展示があると聞いて行って来ました。焼津にいた船大工・近藤友一郎さんのコレクションで、和船の造船技術がわかりやすく、小さな個室ですが基本的なことを知ることができました。

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最初は、展示の構成を説明するパネルがあります ↑↑↑。
展示は調査研究が繰り返されることによって同じ資料であっても姿を変えますし、視点を持った切り口(企画)によっても変化します。ここでは、「パネルによる近藤友一郎氏とその業績に関する紹介」「船大工の道具を中心とした船作りのコーナー」「模型の展示」で構成されており、展示資料は1万点以上あるうちのおよそ400点を公開。船大工・近藤友一郎さんが作った船の模型14点から、全国各地の和船と和船の「型」を見て知ることができます。
 
さて、同じく船大工のコレクションを所蔵し、北前船の寄港地として栄えた宿根木(佐渡島)にある「佐渡國小木民俗博物館」で、私が見たくても見つけられなかったものがあったので、紹介します。
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見たかったもの、その①【板図】 
これが板図か〜✨✨と思いました。
 「板図は当時の船大工棟梁が、船主の要求を聞きながら描いたもので、板図を『形板』、図を『小形』と呼んでいる。図ができて船主と合意に達するとお祝いをし、船造りが始まる。」(白山丸友の会『時代に帆を揚げてー白山丸復原の足跡ー』)
 前回の更新で『時代に帆を揚げてー白山丸復原の足跡ー』という本を紹介しましたが、この本の中に「板図を再現する」場面も描かれており、大変興味深く復原の過程そのものがおもしろいです。23ページ ↓
 「博物館にある板図54枚のトレースをまず初めに行った。板図の縮尺はすべて10分の1で、0を1つ加えれば実物大の寸法となる極めて便利な寸法である。先を鋭く切った竹の墨刺で描くのであるが、この曲線、板図によっては消えているものもある。それでもうっすら板図に曲線のヘコミを見つけてはトレースする。まったく見えないものは霧吹きで板図を濡らすと、墨の曲線が浮いてくるものもあった。線の浮きが、さらに弱く、何も見えないものは流水に24時間漬け置くとクッキリ浮上する場合もあった。150〜200年前以前に描かれた曲線である。祈るような気持ちで墨の浮上を願ってトレースしてみたのである。」
 
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見たかったもの、その②【和釘】
これが和釘か〜✨✨
 聞いた話によると昭和45(1970)年頃までは、小木町を歩くとガッチンガッチンと鍛冶屋が鉄を叩く音が聞こえたといいます。いま歩いてもそんな影も形もみつけられませんよね。以下すべてTEM研究所編『平成5年度・地域木造住宅供給促進事業 伝統木造住宅展示事業 宿根木の町並と民家Ⅱ』(佐渡郡小木町)を読んだ知識によりますと、、、
 鍛冶屋は千石船に積む頑丈な船箪笥の金具や、家屋に使う和釘を作っていました。船大工の家は在来工法で和釘を使用しており、伝統的建造物保存地区の修復でも、小木町で製作した和釘が使用されています。「打ち込まれた釘は数ヶ月で錆びはじめ板と一体となり強度を増す」という力があるそうです。後は本読んでください。
 で、私は博物館の新館の隣にある炭焼き小屋を活用して「鍛冶屋復活計画」をし、みんなで和釘つくるぞ!と企画したんですけどね。。。(え、これ減点なの? 実物資料を見ていないことがバレている?㊙︎)
 やっぱり博物館から鍛冶屋の町を復活させましょうよ。
 
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発見したこと① 大板を曲げる技術
 そういえばどうやって木を曲げるんだろう。こうやって木は曲がるのか〜ということがわかります。これは白山丸復原過程を記した本には載っていなかった気がします。展示室の写真を見て感心。かっこいいなぁ、生で見たいわぁ、どこで作業している写真かしら…と思って地名をチェックしたら宿根木ではないですか。この頃わたし佐渡で何やっていたんでしょう!?  義務教育過程で学校と家のチャリンコ往復しかしていない時代ですね。
 
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 和船の技術って精巧にできていて細部まで見事ですよね。 展示の後半は、フォルムが美しいなぁ…とか、職人の仕事に対する美意識を感じて、すばらしかったです。
手仕事、良い仕事。
 
◼︎一般公開、無料。
 
 
 
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