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気まぐれ Art note

本の編集したり舞台裏の黒子やったりしています。

倉庫の中で……

毎月数日、民俗資料室の倉庫の中で働いています。一緒に働く仲間から教わることが多いので、教わったことを記しておこうと思います。

今の仕事は、各地域から収集した竹細工の整理。過去のラベルを外し、新しい資料番号のタグをつけ、埃を払って、撮影のための準備をしています。作業をしながら、竹という素材で作られた道具が様々で、それがアジア一帯にあり、用途によって使い分けられていたことがわかり、驚きます。

 

今回、1番最初にご紹介したいのはこれ!

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ツァイフ(弁当入れ)
野良におかずを入れて運ぶ
110×胴 240×底 245×h265

アジア各国を歩いている映像学科卒のMくんの解説によると、貴州省というところは山岳地帯で、少数民族が住んでいます。貨幣経済の基準で見ると貧しい地域ということになりますが、このような弁当箱をつくってしまうなんて、豊かではないですか。「かっこいい、この弁当箱かっこいい」……というお話を聞いて、貴州省を調べてみると、現在は徐々に経済成長して古い町並みや伝統、このような竹細工の弁当箱も姿を消しつつあるようです。たしかに素敵な弁当箱ですよね。

貴州省の古い町並み

 

 

続いてこちら

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筌  川魚用
185×L290
台湾  蘭嶼

台湾の蘭嶼(らんしょ)という地域に伝わるトビウオ漁に使われた道具で、もう現地に行っても近代化してこのような道具はない!とまたまたMくんが教えてくれました。現地が近代化して捨てていくものが、ここにある。保存してあることで、私たちは少し前の暮らしを知ることができます。

蘭嶼 - Wikipedia

 

さて、アジアの竹細工を解説してくれた映像学科卒のMくんですが、いまはドキュメンタリー映画の撮影にアジア各国を飛び回る日々のようです。どのようなことを追っているのかと聞いてみると……。

インドネシアにずっと通っていて、インドネシアのまぐろ漁を撮影している。毎年行って記録し続けていると、町と生活がものすごいスピードで変化していると感じる。たとえば、車。少し前まではのどかな農村で、それこそ牛が歩いているようなところだったのに、車が入ってきた途端、道路を舗装し始めた。舗装したら次々と車が入ってくるようになり、こんどは狭いと言って道路拡張をし始めた。また、浜と民家は地続きのような生活で、海と共に生きていたが、そこに防波堤ができた。防波堤が建ったことで、海と共にある生活は1枚壁ができたような生活に変化した。自然の素材を使って、当たり前に編んでつくっていた道具はプラスチックに変わり、大量に捨てられている。これはかつての日本の昭和、高度経済成長期はきっとこんな様子だったのだろうと思って記録している。とのこと。

もうひとつ

山梨県甲府に伝わる伝統的な盆踊りがあり、それは他の地域とは異なる盆踊りだったが、今は行われていない。村のお婆ちゃんが、訪ねてきた若者5人に昔の盆踊りを話したところ、若者5人はお婆ちゃんの話に心動かされた。そこでお婆ちゃんの話をもとにかつての盆踊り復活をしてみようと動き出す。

というドキュメンタリーだそうです。

 

貴重映像!

「完成はまだまだずーっと先」と言っていましたが、

ぜひとも完成させて、上映していただきたいと願っています。

 

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そして作業は続く……