畑野の大久保というところに、真禅寺という真言宗智山派のお寺があります。
お寺の遊歩道を歩いていくと、見事な竹林があり、10分ほど歩くとザーザーと水の音が聞こえてきて、目の前に滝が現れます。
ここを鍋倉の滝といいます。
文覚上人が滝行をした場所だと言い伝えられているから、滝の隣に文覚上人像が立ってるんですね。この石像の造形については、美術雑誌編集者&美大卒の学芸員としては一言申し上げたいところですが。。。
ここを初めて訪れたときの、この場所が持つパワーは忘れられません。パワーを感じるか否かは人によると思います。しかし佐渡のお寺でパワーを持っているお寺って、あまりないと思うんです。神社仏閣が多いという佐渡。そのなかでも群を抜いて美しいお寺が、ここ「真禅寺」だと思います。
滝の側に大日堂が建てられています。真禅寺の御本尊様は大日如来様です。大日堂の「大日」は、大日如来様のこと。大日如来様は本堂に安置されております。この大日堂には不動明王様がいらっしゃいます。
大日如来様と不動明王様は表裏一体、という意味のお話を教わったことがあります。
大日堂では、毎月28日の朝7時から護摩祈祷をしています。なぜ28日なのかというと、不動明王様の縁日が28日なんだそうです。
真禅寺の敷地はざっとこんな感じ。
ここのお寺は庭が大変美しいです。庭が美しいと、心が洗われるようです。 逆に庭が荒れていると、その土地そのものが荒れているように感じます。
電信柱が景観的に邪魔ですなぁ。
1本の木をどう見るか。
築山庭園。
ご挨拶して、通ります。御本尊様にも。手を合わせて一礼。皆さん、お寺に来たら御本尊様にはご挨拶していただきたいです。1番大切な方ですから。見ていると、素通りする人がたくさんいます。なんで人と会う時は挨拶するのに、御本尊様にはご挨拶なさらないのですか。信仰とか宗教という問題よりも、訪れた場所で1番偉い、大切にされている方にご挨拶していただきたいです。
インドに行ったときは、会う人会う人にとにかくナマステ合掌でしたよ。
納屋。
納屋は茅葺屋根でして、銅板⁈を被せてあるようです。内部からロープワークを見ることができます。おおお、民俗資料室だ。
土壁。美しい。
粗末だけれど、品があります。
これは庫裡の床。畳をはぐったら出てきました。見た瞬間、(いい床だ!)と思ったから、これを活かしたいと思って、畳を全部はぐりました。ただね〜、床がぶよぶよして傾いているし、大工さんに見てもらった時に「床下全部ダメだね!」って言われました。
全体的に修繕しないと、とってもじゃないけど使いづらいです。半分は朽ちてるに等しいですね。
田の字型の間取りと教わりましたでしょうか。梁が見事です。茅葺を塞いでありますなぁ。せめて梁を活かす塞ぎ方をしてほしかったね。
このやり方は美しくない。
神棚。寺に神棚があるんだぁって言う人がたくさんおります。神仏習合。佐渡のお寺なんてほとんどすぐ側に神社があって、神仏セットに建てられておりますよ。
さて、なんで真禅寺の紹介をするのかというと、ここは数年前から無住寺でして、この場所に一目惚れした人が、事務所にしたようです。
「佐渡祭祀文化研究所」
といいます。
本がありすぎて片付かないわー‼︎
修繕したらデスクも本棚も増やしたいね。
ここに知が結集するの。建築、民俗、美術、考古、歴史、各専門家が集まって、研究の拠点にすればいいと思います。真禅寺だけでいろんな研究ができるよ。素材があるから。
研究所が所蔵する、東洋陶磁コレクション。
素敵な器でお茶でも出しましょうか。